翌日
すっかり体調が良くなった私は会社に行くために駅のホームで電車を待っていた。
やっと仕事ができる!
土日を挟んだこともあり4日も仕事をしていない私はうずうずとした気持ちを抑えられないでいた。
早く化粧品に触れあいたい。
その願いをか叶える様に電車がやって来た。
開く扉に吸い込まれるように足を踏み入れればドクンと私の胸は高鳴った。
バクバクと揺れ動く心臓を無視して私は歩き出す。いつもの所定の位置に向かって。
「おはようございます、橘部長」
「おはよう、泰東」
橘部長の顔を見ただけで私の心臓はさらに激しく高鳴った。
失恋して初めて橘部長に会う。
胸は苦しいけど、フラれたからって嫌いになる訳ではない。
むしろ……好きって気持ちが治まらないよ。
気持ちを顔には出さない様に顔を引き締めながら橘部長の隣へと立った。
「……もう……大丈夫なのか?」
ゆっくりと動き出した電車。
静かな空間の中で電車の音と橘部長の声だけ広がる。
「はい、お陰様ですっかり良くなりました」
「そうか……良かった」
安心したように笑みを浮かべ私を見る橘部長に涙が出てきそうになった。
でもこんな所で泣く訳にもいかず必死に口角を上げる。
そんな私を見透かしたように橘部長は不審そうに眉をひそめた。
「笑顔が引き攣っているぞ。本当治ったのか?」
「……はい」
笑顔が引き攣っている理由はあなたですよ。そう心の中でツッコむ。
橘部長は大人だし素敵な人だし……たくさん告白されてきたに違いない。
だから断る事も慣れているかもしれないし……大したことじゃないかもしれない。
私にとって告白はかなり大事だ。
しかも、自分からしたのは初めてだ。
だからまだ心の整理が出来ていないんだ。
「泰東」
「何ですか?」
「この前の事だが……」
「そうだ橘部長!!仕事の事なんですけど……」
“この前の事”。
私の頭に浮かんだのは私が橘部長に告白した時の事だった。
そうでなかったら彼はこんなに気まずい顔はしないだろう。
そう思った私は彼の話を遮り話をすり替えた。
私は意気地なしだ。
もうフラれたというのに、彼の口からハッキリと断られるのが怖くて私は逃げ出した。
すっかり体調が良くなった私は会社に行くために駅のホームで電車を待っていた。
やっと仕事ができる!
土日を挟んだこともあり4日も仕事をしていない私はうずうずとした気持ちを抑えられないでいた。
早く化粧品に触れあいたい。
その願いをか叶える様に電車がやって来た。
開く扉に吸い込まれるように足を踏み入れればドクンと私の胸は高鳴った。
バクバクと揺れ動く心臓を無視して私は歩き出す。いつもの所定の位置に向かって。
「おはようございます、橘部長」
「おはよう、泰東」
橘部長の顔を見ただけで私の心臓はさらに激しく高鳴った。
失恋して初めて橘部長に会う。
胸は苦しいけど、フラれたからって嫌いになる訳ではない。
むしろ……好きって気持ちが治まらないよ。
気持ちを顔には出さない様に顔を引き締めながら橘部長の隣へと立った。
「……もう……大丈夫なのか?」
ゆっくりと動き出した電車。
静かな空間の中で電車の音と橘部長の声だけ広がる。
「はい、お陰様ですっかり良くなりました」
「そうか……良かった」
安心したように笑みを浮かべ私を見る橘部長に涙が出てきそうになった。
でもこんな所で泣く訳にもいかず必死に口角を上げる。
そんな私を見透かしたように橘部長は不審そうに眉をひそめた。
「笑顔が引き攣っているぞ。本当治ったのか?」
「……はい」
笑顔が引き攣っている理由はあなたですよ。そう心の中でツッコむ。
橘部長は大人だし素敵な人だし……たくさん告白されてきたに違いない。
だから断る事も慣れているかもしれないし……大したことじゃないかもしれない。
私にとって告白はかなり大事だ。
しかも、自分からしたのは初めてだ。
だからまだ心の整理が出来ていないんだ。
「泰東」
「何ですか?」
「この前の事だが……」
「そうだ橘部長!!仕事の事なんですけど……」
“この前の事”。
私の頭に浮かんだのは私が橘部長に告白した時の事だった。
そうでなかったら彼はこんなに気まずい顔はしないだろう。
そう思った私は彼の話を遮り話をすり替えた。
私は意気地なしだ。
もうフラれたというのに、彼の口からハッキリと断られるのが怖くて私は逃げ出した。


