素直になりたくて~メイクに恋してあなたを愛す~

「んっ……」

「あっ……目が覚めたみたいだね?」


ゆっくりと目を開ければ優しい笑みを浮かべる翔也さんが目に入った。
さっきのは夢だったのか……。
でも一体……あれは誰だったのだろうか?
最後の声の主について考えていれば翔也さんは私のおでこに手をあてた。


「うん!大分よくなったみたいだね」

「……翔也さんのお蔭ですね」

「……何か食べれそう?おかゆ作ったけど」


翔也さんって結構、純粋なんだな。
真っ赤な顔をする翔也さんを見ると心が安らぐ気がする。
あんなに優しくて、いい人が何で私の事なんかを好きになってくれたのだろうか。
あの人なら私なんかよりもっと素敵な人を探せるのに……。


「おかゆ持ってきたよ。起きれる?」

「だ……大丈夫です」

「無理しなくていいよ。俺につかまって?」

「……ありがとうございます」


翔也さんは私の体を支えて、ゆっくりと抱き起してくれた。
そしておかゆがのったおぼんを私に持たせる。


「俺が食べさせてあげようか?あーんって」

「……遠慮しておきます」

「ふふっ。じゃあ、ちゃんと食べてね?
食べるまで見張っておくからさ」


ニコッと効果音がつきそうなくらいの笑顔で翔也さんは私を見ていた。
恥ずかしい……そう思いながらレンゲでおかゆを口へと運ぶ。
口の中に広がる優しい味は、まるで翔也さんそのものだった。


「美味しい……これ翔也さんが作ってくれたんですか?」

「……うん、自分が作った料理を誰かに食べてもらうなんて初めてだけど……。
口にあったみたいでよかった」


安心した様に笑う翔也さん。
ニコニコとしながら私が食べるのを見ている。


「ねぇ……夏香ちゃん」

「はい?」


おかゆを食べるのに夢中になっていた私はハッとした様に翔也さんの方を向いた。