でも本当に風邪を引いたらシャレにならない。
せめて顔だけでも拭いて貰おうとカバンからハンカチを出そうと探っていれば明らかに私のものではないハンカチがある。
「これ……」
ハンカチを手に持った瞬間に胸に痛みが走る。
このハンカチは橘部長のものだ。
私が初めての企画の時に先輩たちとぶつかった時、涙を流す私に貸してくれたもの。
返そうと思ってたのに……忘れていた。
止まりかけていた涙が再び私の頬をつたる。
涙か雨かなんて翔也さんには分からないはずなのに。
翔也さんは哀しそうな顔をした。
翔也さんに心配を掛けてはいけない。
早く泣き止まないと、私の気持ちとは裏腹に涙は止まってはくれなかった。
「うっ……たちばな……ぶちょ……」
ハンカチを握りしめながら無意識に出た名前。
心が張り裂けそう……もう嫌だ。
震え始める私の体に優しさが降り注ぐ。
「……んっ……」
唇に感じる柔らかさと温もりが私の顔を火照らせる。
体は濡れて冷たいのに異常なまでに顔が熱くなっていた。
翔也さんにキスをされている。
そう理解するのに時間はいらなかった。
初めは優しかったキスが次第に激しくなっていく。
どんなに逃げても執念深く彼の舌が私を追いかけてくる。
抵抗も虚しく私は彼のキスに溺れていく。
感じたこともない快楽が私を襲い、それに耐えきれなくなった私は一気に体の力が抜けた。
翔也さんの胸に倒れこみ肩を揺らしながら息を整える。
「……夏香ちゃん」
「はぁ……はぁ……」
息切れのせいで喋る事が出来ない私は視線だけ翔也さんの方に向ける。
翔也さんの顔は真剣そのものだった。
「もうあの人の事で泣かないで……」
「……翔也さん……?」
「君が他の男の事で苦しむ姿をもうこれ以上は見たくない」
再び彼の腕が私の背中に回る。
動く事が出来ないくらいに力強く。
せめて顔だけでも拭いて貰おうとカバンからハンカチを出そうと探っていれば明らかに私のものではないハンカチがある。
「これ……」
ハンカチを手に持った瞬間に胸に痛みが走る。
このハンカチは橘部長のものだ。
私が初めての企画の時に先輩たちとぶつかった時、涙を流す私に貸してくれたもの。
返そうと思ってたのに……忘れていた。
止まりかけていた涙が再び私の頬をつたる。
涙か雨かなんて翔也さんには分からないはずなのに。
翔也さんは哀しそうな顔をした。
翔也さんに心配を掛けてはいけない。
早く泣き止まないと、私の気持ちとは裏腹に涙は止まってはくれなかった。
「うっ……たちばな……ぶちょ……」
ハンカチを握りしめながら無意識に出た名前。
心が張り裂けそう……もう嫌だ。
震え始める私の体に優しさが降り注ぐ。
「……んっ……」
唇に感じる柔らかさと温もりが私の顔を火照らせる。
体は濡れて冷たいのに異常なまでに顔が熱くなっていた。
翔也さんにキスをされている。
そう理解するのに時間はいらなかった。
初めは優しかったキスが次第に激しくなっていく。
どんなに逃げても執念深く彼の舌が私を追いかけてくる。
抵抗も虚しく私は彼のキスに溺れていく。
感じたこともない快楽が私を襲い、それに耐えきれなくなった私は一気に体の力が抜けた。
翔也さんの胸に倒れこみ肩を揺らしながら息を整える。
「……夏香ちゃん」
「はぁ……はぁ……」
息切れのせいで喋る事が出来ない私は視線だけ翔也さんの方に向ける。
翔也さんの顔は真剣そのものだった。
「もうあの人の事で泣かないで……」
「……翔也さん……?」
「君が他の男の事で苦しむ姿をもうこれ以上は見たくない」
再び彼の腕が私の背中に回る。
動く事が出来ないくらいに力強く。


