素直になりたくて~メイクに恋してあなたを愛す~

「そう言えばさ……橘さんとどうなの?」

「……何ですか急に……」

「別に~?ライバルの行動は気になるでしょ?」


急に橘部長の話が出てきたからか私の顔は馬鹿みたいに紅くなった。
そんな私を見て翔也さんは1つのタメ息を落とす。


「あのさ~仮にも君に告白した男の前でその反応はどうかと思うよ?」

「だって翔也さんが私を好きって何か信じられないんですもん!」

「何それ哀しすぎ~まぁいいけどさ?そのうち本気出すから覚悟しといてね?」


クスクスと笑う翔也さんからはやっぱり私の事を好きだっていう雰囲気はない。
むしろ……からかわれている様な気がする。


「あ……橘さんだ」

「……騙されませんよ私は」

「本当だって!あそこ!」


私を騙そうと思って言ったのだとばかりに思っていたが、そこには本当に橘部長がいた。
でも……1人じゃなかった。

橘部長の隣には女の人が立っていた。
橘部長と同じくらいの身長の高い女性。
ここからでは顔はよく見えないけど……凄く胸が痛い。

そんな私に気が付いたのか翔也さんは優しく私の頭を撫でてくれた。
その優しさは嬉しかったけど……私の頭の中は橘部長でいっぱいになる。


「……行こう」

「え?」


翔也さんは何故か橘部長の方に向かって歩き出した。
止めようと彼を追いかけるが既に遅かったみたいだ。


「何してるんですか?こんな所で?」

「……水沢さん」


2人はもう出会ってしまったみたいだ。
翔也さんを置いて帰る訳にもいかず私は重い足取りで2人の方に向かう。