素直になりたくて~メイクに恋してあなたを愛す~

「なっ……!?」


リップ音がしたと思ったら翔也さんの唇が私の頬に触れていた。
頬と言っても唇のすぐ端っこ。
自分の顔がありえないくらいに熱くなっていくのが分かる。


「本当は唇がいいんだけど……無理やり奪う趣味はないからね~」


ニヤリと笑う翔也さん。
キスされた事は恥ずかしいし怒りたいけど……。
変な所で優しい翔也さんに思わず笑ってしまった。


「ちょっ!?ここ笑うとこ!?」

「だ……だって……翔也さんらしくて!!」

「まぁいいや。君が笑ってくれるならそれで」

「え?」


クスクスと笑っていれば急に優しい顔になる翔也さん。
さっきまでの意地悪な笑みとは全く違った。


「俺は君の笑顔が好きだからさ。だからずっと……その素敵な顔で笑っていて」

「……」


何でこの人はさらりとこんな台詞が言えるのだろう?
普通だったら少しは照れたり、噛んだりするものじゃないか。

なぜ私が照れなければいけないんだ。
紅く染まる顔を見せない様に彼から顔を逸らした。


「あれ?照れてる?」

「照れてません!」

「ムキになっちゃって~可愛いな~」

「翔也さん!」


からかうような言葉を言われ、つい彼の方を見てしまう。
それを待ってたと言わんばかりに翔也さんは口角を上げた。


「ホラ顔真っ赤」

「……性格……悪いですね」

「ふふっ、ありがとう」


楽しそうに笑う翔也さんにつられて笑ってしまった。