「橘部長?」
「……」
「あの……そうだお金……」
財布からお金を取り出そうとした時、私の手は強く掴まれる。
顔を上げれば眉をひそめた橘部長が目に映った。相当の力で掴まれているのか手首に痛みが走る。
でも、そんな事はどうでもいい。手首の痛みより胸の痛みの方が強いから。
橘部長の顔には怒りの感情と哀しみの感情があるように感じたんだ。
何でそんな顔をするのかは私にはわからない。だけどこれ以上は見たくないから、そう思い橘部長から目を逸らした。
「金は必要ない。これはお前への礼だ」
「でも……」
「いらないと言っているだろ」
有無を言わせない口調と目つきで私を見る橘部長。
何度かお金を渡そうとするも受け取ってはくれず、私が諦める羽目になってしまった。
「じゃあ……ご厚意に甘えさせて頂きます。
ご馳走様でした」
「あぁ」
手首を掴まれながらお礼を言う、という奇妙な光景に陥っていた。
その後も橘部長は私の手を離そうとはせず、顔も不機嫌なままだった。
その理由が分からない私は、どうする事も出来ずに橘部長を見上げていた。
「……泰東」
「はい」
「……」
「橘部長?」
沈黙を貫いていたかと思えば、いきなり彼の手が私に向かって伸びてきた。
いや、正確には私にじゃない。私の持っていた物にだ。
「……あの……?」
橘部長の行動が理解できない。
彼は私の手にあった紙、さっきの店員さんがくれた連絡先の紙を私の手から抜き取ったのだ。
「……」
「あの……そうだお金……」
財布からお金を取り出そうとした時、私の手は強く掴まれる。
顔を上げれば眉をひそめた橘部長が目に映った。相当の力で掴まれているのか手首に痛みが走る。
でも、そんな事はどうでもいい。手首の痛みより胸の痛みの方が強いから。
橘部長の顔には怒りの感情と哀しみの感情があるように感じたんだ。
何でそんな顔をするのかは私にはわからない。だけどこれ以上は見たくないから、そう思い橘部長から目を逸らした。
「金は必要ない。これはお前への礼だ」
「でも……」
「いらないと言っているだろ」
有無を言わせない口調と目つきで私を見る橘部長。
何度かお金を渡そうとするも受け取ってはくれず、私が諦める羽目になってしまった。
「じゃあ……ご厚意に甘えさせて頂きます。
ご馳走様でした」
「あぁ」
手首を掴まれながらお礼を言う、という奇妙な光景に陥っていた。
その後も橘部長は私の手を離そうとはせず、顔も不機嫌なままだった。
その理由が分からない私は、どうする事も出来ずに橘部長を見上げていた。
「……泰東」
「はい」
「……」
「橘部長?」
沈黙を貫いていたかと思えば、いきなり彼の手が私に向かって伸びてきた。
いや、正確には私にじゃない。私の持っていた物にだ。
「……あの……?」
橘部長の行動が理解できない。
彼は私の手にあった紙、さっきの店員さんがくれた連絡先の紙を私の手から抜き取ったのだ。


