「……すまない。焦らすつもりはなかったんだ。
ゆっくり考えてくれ、お前の人生の事だ」
「……はい」
橘部長は深くタメ息をつくと、喉を鳴らしながらビールを飲んでいた。
私の目にはそんな彼が映っている……それは事実だ。
でも、頭の中が混乱しているのか目の前にいるはずの橘部長が見えなかった。
真っ暗な暗闇に1人、取り残されているような……。
そんな感覚に陥った。
「……泰東は何でこの業界を目指したんだ?」
いきなりの質問に私は思わず笑みを浮かべた。
話題が化粧品の話だって事もあるかもしれないけど、1番の理由は私の闇が晴れたからだ。
ついさっきまで暗闇にいたのに、橘部長が話しかけてくれるだけで私の心は晴れる。
やっぱり私……橘部長が好き。
だから……真剣に考えなければならない。
私のこれからの人生の事。
「私はテレビがきっかけでした。
プロのメイクアップアーティストが女の人に化粧をするというものでした」
「そうか。それで?」
橘部長は手に持っていたはずのビールジョッキを机に置き真っ直ぐに私を見ている。
真剣に私の話を聞いてくれているんだ。
その事に嬉しさを感じながら、私は1つ1つの言葉を繋げていく。
昔の記憶を辿りながら、あの時に感じた化粧品への想いを橘部長へとぶつける様に。
「まるで私には魔法に見えたんです。
メイクアップアーティストの方が女の人の顔に触れるたびにキラキラと輝いて……」
「……」
「メイクが終わった後の女性の顔は凄く嬉しそうでした。
メイクは外見だけじゃなくて心も綺麗にする……幼子心に私はそう思ったのかもしれません。
だから……だからいつか私も……誰かが喜んだり……笑顔になれるような化粧品が作りたいって思ったんです」
「……お前らしいな」
橘部長はそう言うと口元を緩めた。
「泰東は化粧品が好きなんだな」
「……はい……とっても」
偽りのない言葉を私は橘部長に向ける。
化粧品への想いは昔から変わらない。
いや……昔よりずっと大きくなっている。
橘部長に出逢ってから、もっといいものが作りたいって……そう思った。
ゆっくり考えてくれ、お前の人生の事だ」
「……はい」
橘部長は深くタメ息をつくと、喉を鳴らしながらビールを飲んでいた。
私の目にはそんな彼が映っている……それは事実だ。
でも、頭の中が混乱しているのか目の前にいるはずの橘部長が見えなかった。
真っ暗な暗闇に1人、取り残されているような……。
そんな感覚に陥った。
「……泰東は何でこの業界を目指したんだ?」
いきなりの質問に私は思わず笑みを浮かべた。
話題が化粧品の話だって事もあるかもしれないけど、1番の理由は私の闇が晴れたからだ。
ついさっきまで暗闇にいたのに、橘部長が話しかけてくれるだけで私の心は晴れる。
やっぱり私……橘部長が好き。
だから……真剣に考えなければならない。
私のこれからの人生の事。
「私はテレビがきっかけでした。
プロのメイクアップアーティストが女の人に化粧をするというものでした」
「そうか。それで?」
橘部長は手に持っていたはずのビールジョッキを机に置き真っ直ぐに私を見ている。
真剣に私の話を聞いてくれているんだ。
その事に嬉しさを感じながら、私は1つ1つの言葉を繋げていく。
昔の記憶を辿りながら、あの時に感じた化粧品への想いを橘部長へとぶつける様に。
「まるで私には魔法に見えたんです。
メイクアップアーティストの方が女の人の顔に触れるたびにキラキラと輝いて……」
「……」
「メイクが終わった後の女性の顔は凄く嬉しそうでした。
メイクは外見だけじゃなくて心も綺麗にする……幼子心に私はそう思ったのかもしれません。
だから……だからいつか私も……誰かが喜んだり……笑顔になれるような化粧品が作りたいって思ったんです」
「……お前らしいな」
橘部長はそう言うと口元を緩めた。
「泰東は化粧品が好きなんだな」
「……はい……とっても」
偽りのない言葉を私は橘部長に向ける。
化粧品への想いは昔から変わらない。
いや……昔よりずっと大きくなっている。
橘部長に出逢ってから、もっといいものが作りたいって……そう思った。


