「お前何を勘違いしているんだ」
「……勘違い?」
気まずそうな顔をしながら橘部長は私を見ていた。
あの状況で勘違いなんかするのだろうか?
もう1度頭の中でその時の状況を整理する。
確か橘部長に企画書を見せた後にこれを作り直したのか、と聞かれた。
そして肯定すれば、無駄な努力だと睨まれ、作り直そうとすれば作らなくていいと言われた。
その理由を尋ねれば、時間の無駄だと冷たく言い放たれたのを今でも覚えている。
「まったく……あの時様子がおかしいと思ったら……そういう事か」
1人で納得したようにタメ息をつく橘部長。
私は1人置き去りにされた気分になっていた。
「泰東、俺はな……あんなにいい企画書を作り直すという事に対して『時間の無駄だ』と言ったんだ。
だからお前が考えているような意味ではない」
「え……才能ないから作るなって言ってたんじゃないんですか!?」
「……そんな訳ないだろう。
俺はあの企画書を見てから……」
「え?」
それ以外になんてとらえれば良かったのだろうか?
首を傾げながら彼を見上げれば、その顔は真っ赤に染まっていった。
「いや……何でもない。
とにかくだ、磨けば光る原石だったものがやっと輝きだしたんだ。
このままだと、いつかまたこの会社に汚染されるかもしれない」
「汚染って……」
大袈裟だと思いながらも彼から視線を外すことは出来なかった。
彼の目が真剣すぎて、私の胸がざわついている。
橘部長から目を離したくない、彼の瞳に吸い込まれそうになりながら、ただ見つめていた。
静まり返る個室で私たちはお互いに見つめあったまま動かない。
そんな静かな空間を破ったのは私ではなく、橘部長だった。
「俺には泰東が必要だ」
真っ直ぐな声は、どこか甘くて私は何も答えられなくなった。
橘部長の言葉はもちろん嬉しい。
好きな人から必要とされるなんて贅沢な事だ。
でも、だからこそ彼に私の想いを伝えなければ失礼になってしまうのではないか。
彼は私を仕事上でのパートナーとして必要としてくれているが、プライベートではそうではない。
それなのに、このまま私は自分にも、橘部長にも嘘をつきながら彼と生きる道を選んでもいいのだろうか。
だからと言って、彼に気持ちを伝える勇気なんて微塵もない。
私は一体……どうすればいいの?
何が正解で、何が間違っているかなんて今の私には分からない。
「……勘違い?」
気まずそうな顔をしながら橘部長は私を見ていた。
あの状況で勘違いなんかするのだろうか?
もう1度頭の中でその時の状況を整理する。
確か橘部長に企画書を見せた後にこれを作り直したのか、と聞かれた。
そして肯定すれば、無駄な努力だと睨まれ、作り直そうとすれば作らなくていいと言われた。
その理由を尋ねれば、時間の無駄だと冷たく言い放たれたのを今でも覚えている。
「まったく……あの時様子がおかしいと思ったら……そういう事か」
1人で納得したようにタメ息をつく橘部長。
私は1人置き去りにされた気分になっていた。
「泰東、俺はな……あんなにいい企画書を作り直すという事に対して『時間の無駄だ』と言ったんだ。
だからお前が考えているような意味ではない」
「え……才能ないから作るなって言ってたんじゃないんですか!?」
「……そんな訳ないだろう。
俺はあの企画書を見てから……」
「え?」
それ以外になんてとらえれば良かったのだろうか?
首を傾げながら彼を見上げれば、その顔は真っ赤に染まっていった。
「いや……何でもない。
とにかくだ、磨けば光る原石だったものがやっと輝きだしたんだ。
このままだと、いつかまたこの会社に汚染されるかもしれない」
「汚染って……」
大袈裟だと思いながらも彼から視線を外すことは出来なかった。
彼の目が真剣すぎて、私の胸がざわついている。
橘部長から目を離したくない、彼の瞳に吸い込まれそうになりながら、ただ見つめていた。
静まり返る個室で私たちはお互いに見つめあったまま動かない。
そんな静かな空間を破ったのは私ではなく、橘部長だった。
「俺には泰東が必要だ」
真っ直ぐな声は、どこか甘くて私は何も答えられなくなった。
橘部長の言葉はもちろん嬉しい。
好きな人から必要とされるなんて贅沢な事だ。
でも、だからこそ彼に私の想いを伝えなければ失礼になってしまうのではないか。
彼は私を仕事上でのパートナーとして必要としてくれているが、プライベートではそうではない。
それなのに、このまま私は自分にも、橘部長にも嘘をつきながら彼と生きる道を選んでもいいのだろうか。
だからと言って、彼に気持ちを伝える勇気なんて微塵もない。
私は一体……どうすればいいの?
何が正解で、何が間違っているかなんて今の私には分からない。


