素直になりたくて~メイクに恋してあなたを愛す~

「へぇー!!
じゃあデートって事ね!!」

「別にデートって訳じゃないけど!!」



週末の夜、居酒屋でなぎさと2人で呑んでいた。
お酒の肴は私の恋バナだ。
橘部長との事は大体、なぎさには話してある。


ただ……マコさんの事を除いては。
マコさんとなぎさは姉妹だし、なぎさを板ばさみにはさせたくないから。


そんな私の気持ちを見透かしたように、なぎさは口を開いた。


「マコ姉にさ……訊いたよ。
まさか、マコ姉の好きな人と夏香の好きな人が被るとはね」

「……マコさんは知らないけどね」

「まぁ……そうだろうね。
あぁ見えて鈍感だからさマコ姉は」


そう言って、苦笑いをしながらビールを煽るなぎさ。
相変わらずの飲みっぷりに、感心していればジョッキが机に勢いよく置かれた。


「……アタシはさ!!
夏香もマコ姉の事も同じくらい好きだし……2人とも幸せになって欲しいと思う」

「なぎさ……」


なぎさからしたら辛い話だよね。
実のお姉さんと幼馴染が同じ人を好きになる。
その人は1人しかいないから実質どちらかしか幸せにはなれない。


「でも!!
アタシは……夏香を応援する」

「え……?」

「夏香はさ……馬鹿がつくほどお人好しで、真面目で……。
いつも、人の事を想って1歩引くタイプでしょ?」

「そんな事……」

「……そろそろさ。
あんた自身が幸せになってもいいと思う。
あんたは幸せにならなきゃいけない人だよ」


なぎさはそう言うと、再びビールを口にする。
今日の飲み方はいつもよりペースが速い気がする。

多分、なぎさなりに悩んで決断してくれたんだろう。