素直になりたくて~メイクに恋してあなたを愛す~

「もうやってられるかよ!!」

「何なんだよ一体!!」


資料室の整理が終わりオフィスに戻ればみんなの雰囲気がどこかおかしかった。
何かイラついているというかなんというか……。
こんな空気初めてで少し不思議な気持ちでデスクに向かう。


「夏香!もう終わったのか!?」

「うん」

「ワリィ、まだ仕事終わらなくてさ……」


申し訳なさそうに私を見つめる大樹。
でも私的には助かった。
大樹が早く来てたらまだ資料の整理、終わってなかったと思うし。
それより……。


「お疲れ。それより何の騒ぎ?」

「あ……あぁ」


大樹は言いずらそうに私から視線をずらし橘部長のデスクに目を向けた。
私もつられて目をやればそこには橘部長はおらず空席が目立っていた。
どこに行ったんだろう……?
周りを見渡しても橘部長の姿はどこにもなかった。


「橘部長がどうかしたの?」

「それがよ……。
俺たちが出した企画書なんだけど全部やり直せって」

「え……?」


大樹は面倒くさそうに顔を歪めるとガシガシと頭を掻きだした。