素直になりたくて~メイクに恋してあなたを愛す~

待ち合わせ場所についたのは15分後。



よかった……時間前に来れて……。



ホッとタメ息をついた瞬間目に映るのは人の塊だった。
しかも、女の人ばかり……。




「えっ……」




思わず声が漏れる。
だって今……人だかりの中に……。



私は勇気をだして人混みの中心に向かう。



一瞬だったけど……さっきあの人が見えた気がした。




「すみません……通ります!!」




人を掻き分けながら歩き続ける。
これで私の勘違いだったら……恥ずかしすぎる。




その時、私の不安を消す様に聞きなれた低い声が放たれた。




「泰東……?」




その声を聞いた瞬間、私の頬は自然に緩む。
そして、目の前の人の……私の好きな人の名前を呼んだ。




「橘部長!お待たせしてすみません」

「……」




私は軽く頭を下げながら橘部長の言葉を待った。
しかし、いくら待ったって返事は返ってこなかった。