素直になりたくて~メイクに恋してあなたを愛す~

「君って最高!!
頼まれたからって上司の恋人のフリをするとか!!」





ゲラゲラと笑う翔也さん。
王子様のような外見からは想像が出来ない笑い方だ。



でも……。
前見た笑顔よりも生き生きしていている気がした。



何の違和感もなくキラキラとした顔で笑う翔也さん。
笑い方はともかくこんな顔を見たら女の子は惚れてしまうだろう。






「笑いすぎですよ……」

「だって面白すぎだもん!!
……君ってさ……その上司が好きなんでしょ?」

「……なっ!?」

「顔……紅すぎだね~」





ニヤついた顔で私を見ながらからかう様に言葉を発している。



な……何で分かったのだろうか。
私は橘部長の事が好きだとはひと言も話していないはずだ。
パニック状態の頭は最早、使い物にはならないんじゃないかってくらいだ。




否定しようと口を開こうとすれば、それよりも早く翔也さんが口を開く。