素直になりたくて~メイクに恋してあなたを愛す~

「まぁ……そんな事はさせないけど。
君が危なくなった時はまた俺が助けてあげる」

「翔也さん……」





何でそんな事を言ってくれるのだろう。
私たちはそこまで仲良くない。


数回しか会った事がない私に彼がそこまでしてくれる理由が分からない。






「まぁ……“ある事”のお礼だと思ってよ。
詳しくはツッコまないでね?」






“ある事”ってのが気になるけど先手を打たれてしまったので聞く訳にもいかない。


首を傾げながら彼を見ていれば『早く言ってよ』と再びあそこにいた理由を聞かれてしまった。
答えなければ解放されない気がする。
頭にそんな事が浮かび私は仕方なく翔也さんに話した。



すると私が思っていた通りの事が起きた。
目の前にはお腹を抱えながら爆笑をする翔也さんがいる。



その目には涙が浮かんでいる。
そんなに笑う事ですか……。



ちょっと恥ずかしくなってきましたよ。
周りの人の視線が突き刺さる中で私は1人で顔を赤らめる。