素直になりたくて~メイクに恋してあなたを愛す~

月曜日




はぁ……。
深いため息は目の前にあるパソコンへと吸い込まれていく。



仕事が手につかない。
今の私の頭にあるのは妙な胸の高鳴りだけ。



あれから橘部長はあの事について話してはこない。
あの事と言うのはもちろん“恋人のフリをしてお見合いをぶち壊せ計画”の事だ。



もしかして無くなったのだろうか?
……そんな訳ないか。



無くなったなら橘部長はちゃんと報告してくれるはずだ。
何も言ってこないという事はご両親と日程を合わせてるのかもしれない。





「泰東」




考え込んでいれば心地よい低い声がオフィスに広がった。


声を聞くだけでドキドキする。
こんな乙女だったっけ私って……。



そう思いながら私は声の主である人の元へ行く。