素直になりたくて~メイクに恋してあなたを愛す~

「なっ……そんな訳ないよ!!」




顔が熱い。
火傷でもするんじゃないかってくらい。


全力で否定してもなぎさの顔は怪しい笑みのままだった。





「だってそれ以外ないでしょ?
わざわざ部下にやらせる必要無いし」




なぎさの言葉が淡い期待を植え付ける。



そんな訳ない。
ありえない。



自分に言い聞かせ熱を帯びる顔を冷まそうとする。





「絶対にないよ!
橘部長は私の事なんて眼中にないと思う」




自分で言っているのに胸が締め付けられるように痛い。



橘部長は他に頼める人がいなかった。
ただそれだけだから……。


お願いだからこれ以上ドキドキしないで……。
激しく動く心臓を押さえながらぎゅっと目を瞑る。