素直になりたくて~メイクに恋してあなたを愛す~

「さっ!
今から飲みに行かねぇ?」




時計はいつの間にか5時を指しており、皆は帰る準備をしていた。
今日は金曜日だし、残業も出来ない。



私も帰ろうかな~。




「ちょっ!!
夏香、お前も飲みに行くに決まってんだろ!!」




帰ろうとした私の腕をつかむのは佐藤せんぱいと大樹。
飲みに行くのはいいけど……この2人酒癖悪いからな……。




まぁ楽しいからいいけど!





「は……」

「泰東」




私が言う前に低い声が放たれる。
私の後ろに立っていたのは橘部長だ。




「はい?」

「すまない、少し時間を貰えるか?」

「……はい」




断る理由もなかったので私は返事をした。
佐藤せんぱいと大樹には悪いと思ったけど断っちゃった。