素直になりたくて~メイクに恋してあなたを愛す~

2人でランチをして少し世間話をする。


向日 渚(むかひ なぎさ)は私の幼馴染で幼稚園から大学まではずっと同じクラスだった。
いつも一緒でもう家族同然みたいな関係になっている。
マコさんを含めみんな仲が良い。

なぎさは今はアパレル関係の仕事をしていて毎日充実しているそうだ。
昔から服とか好きだったからな……なぎさは。


「今日さ飲みに行かない!?」

「え?あー……。大樹と飲む約束してるんだよね」


いきなりの言葉にびっくりしながらも返事を返せばなぎさは一瞬顔をしかめた。
……言うんじゃなかった。


「大樹って田辺だよね」

「う……うん」


わ~なぎさの顔が恐ろしい事になってる。
いつもより声も低いし。


「アタシも行く」

「私はいいけど……」

「あんな奴なんかに夏香を独り占めさせてたまるか!!」


やっぱ言うんじゃなかった。
実は私となぎさと大樹は同じ大学で3人でいることが多かった。
でもなぎさと大樹は昔っから喧嘩してばっかりだったんだよね。
まぁ喧嘩するほど仲が良いって言うけど……。


「アンタ達、そろそろ時間やばいんじゃないか?」


キッチンで洗い物をしていたマコさんが私たちに向かって言った。
チラッと時計を見れば昼休みの終わり5分前。
私はすぐ隣だからいいけどなぎさは……。


「やばっ!!
マコ姉、金はつけといて! 夏香後で連絡する!!」


そう言って嵐のように去って行った。


「相変わらずだな」

「ねー……」


マコさんと2人で顔を合わせ苦笑いを浮かべた。