素直になりたくて~メイクに恋してあなたを愛す~

あれから仕事を始めた私たち。


でも皆どこか上の空だ。
それは私も例外ではない。



佐藤せんぱいが出て行ったオフィスはどことなく寂しかった。
それは皆も感じたみたいだ。
皆の顔は少し暗かった。
でもそれを感じ取らせないように明るく振る舞ってはいるけど……。
無理しているのが丸分かりだ。




「……はぁ……」

「おい」




今日何度目か分からないため息をつけば後ろから軽く頭に衝撃が落ちる。
ビックリして上を見上げればファイルを持ちながら私を見下ろす橘部長が目に映る。



もしかしてそのファイルで私の頭を叩いたんですか!?




「何するんですか……!?」

「お前が呼んでも来ないからだろう」

「え……すみません」




呼んでたなんて全く気付かなかった。
私は橘部長からファイルを受け取りパソコンに視線を戻す。



でも……。




「あの橘部長?」

「……」




橘部長は私の後ろから動こうとしなかった。
不思議に思い体をそっちに向ければ橘部長は足早に自分のデスクに戻って行った。



……なんだったの今のは?
首を傾げながらも仕事を再開する私。



でも頭の中には佐藤せんぱいの顔が浮かんでくる。
このままで……いいのかな……。