素直になりたくて~メイクに恋してあなたを愛す~

「俺を恨みたければ恨め。
だが……努力をしている奴の邪魔だけはするな」

「っ……」

「佐藤、お前は泰東の事を良く知っているだろう?
自分の企画が通らなくても諦める事なく必死に頑張ってきた。
そんな奴の足を引っ張る真似だけはするな!!」




橘部長……。
私は橘部長の言葉に1人泣きそうになっていた。




「……俺……どうかしてたんだ」




感傷に浸っていれば震えた声がオフィスに広まる。
佐藤せんぱいはそれだけ言うと座ったまま顔だけを私の方に向けてきた。




「夏香……俺はお前が羨ましかった」

「えっ……」




羨ましいって……。
私なんか仕事も出来ないし皆に迷惑しかかけてないのに……。




「自分の目標をしっかり持っててそれに向かって努力している。
その努力が報われなくても立ち止まることはしなかった」




目標って……“誰かが笑顔になれる化粧品を作る”って事?
佐藤せんぱいにも前に話した事あったけど……。
覚えててくれたんだ……。




「そしてやっとお前の努力が報われる時が来たのに……。
俺は嬉しさよりも嫉妬の方が強くなっていって……。
取り返しのない事をした……」




そう言って佐藤せんぱいは私から目を逸らし俯いてしまった。