素直になりたくて~メイクに恋してあなたを愛す~

「……全部……お前のせいだ……」




佐藤せんぱいは小声で言うとゆっくりとこっちに向かってくる。


でもおかしい。
佐藤せんぱいが見つめているのは私じゃない。
先輩の視線をゆっくり辿っていけばそこにいたのは……。



橘部長……?
確かに佐藤せんぱいは橘部長の方をを見ている。
何で……?



『お前のせい』ってどう言う事?
橘部長が佐藤せんぱいに何かしたって事?



私は急展開についていけずにただ橘部長と佐藤せんぱいを見る事しか出来なかった。




「お前が来てから俺ら企画開発部は滅茶苦茶だよ!!」

「それは……どういう事だ?」

「突然と俺らの前に現れて理由も言わず企画書作り直させて……挙句の果てにはみんな不採用?
笑わせんじゃねぇよ!!

何が『会社の利益ばかりを追求した物を商品化するつもりはない』だよ!!
いきなり来たくせに勝手な事ばっかり言ってんじゃねぇよ!!」

「ちょっ……やめて佐藤せんぱい!!」




佐藤せんぱいは怒鳴ると同時に橘部長の胸ぐらをつかんでいた。
私や皆で佐藤せんぱいを引き離そうとするが中々離れない。




「お前のせいだ!!
お前さえ来なければ……俺は夏香にこんな酷い事しなくてすんだのに」




やっと引き離せたと思ったら佐藤せんぱいは叫びながら崩れ落ちる様に座り込んでしまった。