素直になりたくて~メイクに恋してあなたを愛す~

「会議への妨害の件について……誰がやったとかは名乗らなくて結構です。
ですが……今回の事で誰に迷惑が掛かるかとか少しでも考えましたか?」




総務課の方たちや橘部長にはたくさん迷惑を掛けてしまった。
そして、もし会議でプレゼンが出来なかったら大樹や佐藤せんぱい。
同じ部署の人たちに迷惑が掛かった。




「私が気に食わないのならそれを私だけにぶつけてください。
他の人を巻き込まないで!!」




人生で初めて怒鳴ったかもしれない。
って言うか、こんなたくさんの人の前で自分の想いをぶつけたのも初めてだ。



いきなり大声を出したせいか私の肩は上下に揺れていた。
息切れとか……情けないな私……。




「……お前の正直な気持ち初めて聞いたわ。
本当に悪かったな……」

「俺たちが言える事じゃないけどよ……。
夏香をこれ以上苦しめるなよ!!」




息を整えている私に話しかけてくれたのは……。
私の事を嫌っていた先輩たちだった。



何か……嬉しい。
こうやって素直になる事で気持ちが通じた。



橘部長の言った通りだ……。
真直ぐにぶつかれば分かり合える……。



その証拠に……。
先輩たち2人と仲直りする事が出来た。