「全く……お前までクビを掛けてどうするんだ」




ため息交じりに言う橘部長。
きっと私があぁ言わなきゃ1人だけクビになるつもりだったんだ。




「だって橘部長がいいなくなると寂しいじゃないですか」

「泰東……」




……しまった。
寝ていないせいか疲れと睡魔で変な事を言ってしまった気がする。




「いや……その。
橘部長に怒られながら仕事するのも悪くないかなって」




我ながら見苦しいいい訳。私の気持ちがバレてしまったかもしれない。



そう思い恐る恐る橘部長を見れば目を細めながら笑っていた。
その笑顔は柔らかくて何かドキドキが止まらない。




「お前は変わった奴だな」

「え……」

「怒られるのが好きなのか?」

「え!?
違います!!」




どうしよう。
橘部長に変な誤解をさせてしまった!!


怒られるのが好きとか!!
変な人だと思われるじゃん!!