素直になりたくて~メイクに恋してあなたを愛す~

でも1つ疑問が浮かぶ。

私は今日そのクマと格闘してきた。
念入りに化粧でクマを隠してきたんだ。
だから見えるはずがない。


「そんな訳ないですよ!
化粧で隠してるんですから!!」

「ほぅ。 隠してるって事はやはりあるんだな」

「うっ……」


橘部長の勝ち誇ったような顔に少し……。
いやかなり、むかつきました。
橘部長にカマかけられた……。


「……何で私が寝不足だって分かったんですか?」

「あれだけ大口開けてアクビしてたら誰にだって分かる」


……大口でアクビ……。
私の頭の中が一瞬にして真っ白になった。

私がアクビしたのって電車の中だよね……?
その時、確か誰かに見られて……。
先程の記憶と目の前の人が結び付いた。


「橘部長だったんですか!?
あの盛大にため息ついていた男の人は!!」


オフィスだという事を忘れて大声を出す私。


「なんだ!?」

「また、夏香がやらかしたか?」


皆がこっちを見ながら話してるのが分かる。
注目を浴びて紅くなるなりながら私は小声で話出す。