鈴が咲く【前編】

「...うん...」

みんなが周りに立ってくれていた。


みんなが同時に歩きだして、
門をくぐる。



あぁ、やっぱり…
こうするためだけに、
この人たちは朝待ってたのか。

平和だね、って言いたいのに
なんだか不意をつかれたみたいに息が詰まった。



昨日より視線が多い……

怖がるように一歩下がる。



グイッ

「!」



となりで私の手を握ってた、
遠山君に引っ張られる。



つないでる手を
みんなから見えないように隠して、
頷いてくれた。



何も言われなかったのに
大丈夫だ、と思えた。





その姿に、
どきっとしたのは.....

秘密だ。