「理事長室って...どこ?」


校内に入ったものの、
大きい校舎の中では
どこに行けばいいのかわからない

...フリをする。




「教員室ですら
どこにあるのかわからないし...」


どこで誰に聞かれるかわからないから
そう愚痴るように呟きながら
曲がり角をまがると、

ドンッ

「うわっ」
「きゃっ」


誰かとぶつかった……?



「すっすみません!大丈夫ですか?」

ぶつかってしまった男の子に声をかける。



この会話でキャラクターを完璧に決めないと..








「いや...大丈夫。
...?」


ドクン、と大きく波打った鼓動が
頭まで響いた。




「あの...どうかしましたか?」

なにも気づいてないふりをして、
あたかも他人のように、そう声をかける。




「!いやっ、なんでも。」

そう言って目をそらす、。

「つーか、だれ?」