まだ三歳くらいの子供が、
広い部屋の真ん中で修行をしているんだ。



……一人ぼっちで。







そんな中でも咲は、
努力して、努力して、努力して。




生まれ持った才能と、
小さいころからの独学知識。

それらを目いっぱい使って、
たくさんの術が使えるようになったんだ。






「咲はさ、大変さとか、つらさとか、
俺らに言わずに、
ずっと一人で
頑張ってんじゃないかと思うんだ。
咲は俺らの前では絶対泣かないだろ。
すごい...ため込んでんだと思うよ...」





亮にぃはそう言ってうつむいた。

俺は、その言葉を聞くと、
もう、何も言えなかった。

翔太side snd