コツン


隣に立った斗真に抱き寄せられて、
私の頭が斗真の肩に触れた。



二人でそのまま、同じ方向を見る。

「お疲れ」


「…私のせいで
こんだけ壊して傷つけたんだよ……」


斗真の手に少し力が入った

「鈴のせいじゃない。
…元々聖林とは因縁があったんだ」


それでも、
そのきっかけを作ったのは私で。

ここまで大事になる事じゃなかったかもしれないのに。



「むしろ鈴とか、柳たちとか、俺とか。
戦力として相当動けてたぜ?
自分で言うのもなんだけどさ。
ここのみんなよか、戦力としては上だったはずだ。
…被害、ひどかったかもしんねぇよ?」

俺らがいなかったとしたら、な。


そうやって続けた斗真。





「っ…うん……!」


肩を引き寄せられて
ギュッと正面から抱きしめられる。



「よく頑張った」




トン、トン、
と2回背中を叩いた斗真は
するりと手を離した。


二人とも何も言わなくて、
でもどうするべきかは分かってて。

さっきの斗真の言葉が終わりの合図。




二人で屋敷の方向に歩きはじめた。