「嘘でしょ…」
まず一人を術にかけ動けなくなったところを狙い、
その一人を庇おうとした者に術をかけ…
また術をかけた者を囮や盾にして
こちらが思うように動けなく……
「外道に堕ちたか聖林っ……!!!」
声を殺して、
手を震えるほどに握りしめる。
柳が敵の侵入してきた所にそっと降り立ったのが見えた。
隣に楓もいる。
ふぅ、と心を落ち着かせる。
キィィィィィィン…
両目を大きく開くと、耳の奥でそんな音が聞こえた気がした。
音が収まった時には、もう周りの音は聞こえない。
「我が名は煌銘の鈴。鈴の音を持って
外道を輪廻転生へ導く者。」
誰にも聞こえないような声で、呟く。