「っぁ……」 前にいる華奢な体が、震えて見える。 驚きに見開いた目が横顔で見える。 両手で胸を抑えて力が抜けたように その場に座りこんだ鈴の目は 今にも溢れそうな程に光るものが溜まっていた っ! 駆け寄ろうとした時にはもう、 あいつが鈴を抱きしめていた。 立膝になって鈴を腕の中に閉じ込める姿は もう離れないように。 離されないように。 そんな願いが、あるように見えた。 柳side end