『嘘だろ…』 戦闘音も柳たちの声も 敵軍だった人達の姿も 聞こえているのに 見えるはずなのに 目の前にいる人から目が離せない。 表情から一挙一動全て。 全てを私の意志とは関係なしに体が見逃すまいと動く。 その口から発せられる声が そのまま直接耳に入ってくるかのように はっきり聞こえて、ほかの音は遠く聞こえる。 「……長いこと、待たせてごめん。」 伏せられた目が真っ直ぐに私を貫いた 「…鈴、思い出して。」 真っ直ぐのほんとに真っ直ぐの 強い光を持った瞳が 私を捕まえて放さない。 ぁ……