鈴が咲く【前編】





白い光と砂埃で
敵陣の様子は何も見えない。


背後に感じる柳たち3人の荒い息遣いが
3人の無事を感じ取らせた。

























「っ!?!?」

『っ!』

『!?』


『おい…』







光で眩んでいた目が元に戻って
砂埃の先に見えるもの。


スラリと立ってこちらに片腕を突き出す
一人分のシルエット。




『っな…!?』


ビュウッと横風が吹いて
砂埃を奪い去っていく。




シルエットが光に照らされる。









「なんで……!」















今まで
敵に止められたことなんて無かったこの術が


たった一人の相手に


受け止められていた__________