鈴が咲く【前編】




柳を先頭に
楚宙が続く。

夜召が中距離から後方支援に入るのを目に映してから
意識を自分の中に集中させる。




敵陣との距離は約15メートル。

さっきまで私達と戦っていた奴らも
こっちに合流してきてる。

後ろは急斜面の竹林。
まさに背水の陣。

数の有利は圧倒的に向こうにある。




でも。



ビュッ

横に腕を振ると袖がはためいた。

無数の球を私の背後から敵陣の頭上にかけて
浮かばせる。




「天地星海」

色付いて。

「聖蘭星天臨!」

輝いて。

星が天を飛ぶ。



ダンッと地面を蹴った音がした。




星が天を舞う。



3人がこっちに帰ってくる…



「…光臨!!!!!」


とてつもない音とともに
世界が白に染まる。