鈴が咲く【前編】








なんか…聖林のはずなのに

聖林らしくないな……




トンッ

「!」

踏み込んでいた敵陣から1歩引いた先。

柳の背中が肩に触れた。



『鈴…変だよな』

主語なんてない端的な問いかけ。

聞きながらも攻撃を捌いて、
遠距離の飛び道具を使う。




「うん。
ちょっと…」

でも。

「…いける。
楚宙達と合流しよう
アシストお願い」

返事を待たずにかかってきた敵に向かって飛び込む。


かかってきたのを二、三人術で縛ってから
トーン、トーン、と地面を蹴る。

ふっと柳が目をこっちに向けた…と思う。


そのままぱっぱっと親指から中指までの3本を振る。