鈴が咲く【前編】

でも...





!!

咲が体勢を崩して、
こけそうになっていた。



「っさ...!?」

ぎゅっと咲を抱きとめたのは...


「大丈夫?咲希ちゃん!」

「う...うん。ありがとう。
遠山君。」

光輝だった。


笑ってお礼を言っている咲を見て、
いらついた。




助けたとはいえ、咲を抱きとめている
光輝を見ていたくなかった。

でも、目は離せない。




俺だって助けようとしてたのに...

そんなことを思ってしまう。