『スズ姉ェ様!』 鈴の力を感じて集まってきていた族の者の中から 飛び出してきた、藤の子。 最初は毛嫌いしていた姫のことを 今では姉のように慕っている、藤から生まれた娘だった。 飛び出してきた勢いのまま、ものすごい力が下から突き上げる 柱の中に飛び込んだ。 『ッ!?』 姫の横に膝をつき、 顔を伺うように耳を寄せた藤。 手を組み、俯いたまま、 何の感情も見えない顔で姫の口が動く。 『藤…?』