縁側の前の庭に立って、ひざをつく。
縁側に座ったままの燈兜が
童子達を縁側に座るよう呼ぶ。
流石燈兜...
燈兜に感謝しながら、
ふぅっと口元を引き締めた。
両手を組んで、そっと目を閉じる
一族の屋敷を中心として
あちこちに飛ばした影武者狐たちの情報を
一気に引き受ける...
集中...っ!
髪が舞い上がるのが分かった
目の前にたくさんの映像が浮かぶ。
影武者たちを通して見える映像から
気の動きを見る。
毬を無くしたあの子と、同じような気は....
いつもの何倍もの情報が、
一気に私を襲う。
脳処理ぎりぎり...っ
また鍛錬しないと...
重なり合い、移り変わる景色。
空気、気の流れ、妖気、
気温や天気などあらゆる情報。
一族の屋敷の外や
山の外まで行ってる子達(影武者)までいる...
まさかそんなところに毬があるわけないのに...
空を飛んでる影武者狐の目線から、
離れようとした時だった。
え....?
なん、で...?