「嘘、だろ……咲の手がかりも、
何もかもないのかよ……っ」
呆然としていた
意識に入ってきた悔しげな翔の言葉。
「待てよ柳……!」
「翔、落ち着け!」
「一人で歩けないだろ、動くなよ」
「ちょっ
またぶっ倒れるで!?」
焦って止める三人の声と争っている音。
なんで。
咲も……妖も、式も。
聖林から消えた。
いなくなった。
どうして…。
……どうして?
決まってるだろ。
御老主が……いや『聖林』が、
咲を差別して、ないがしろにしていたから。
全ての責任を押し付けていたから。
妖を理不尽に連れ去り、
式として奴隷のように扱っていたから。
咲は式達を家族として扱っていたから。
咲の拠り所がなくなって、
一人で全てを背負わせていたから。
全部……全部、わかってるのに。

