鈴が咲く【前編】











御老主が戦闘体制に入る。



「!?」


「っ!?」









っ...速い



気づいたら懐に入っていて、
次の瞬間吹っ飛ばされている。






こんなに...
こんなに、強いなんて...!



『まとめて一回でやってもいいけど
つまんないから遊んでやるよ』


遊んでやる




その言葉は俺に突き刺さった。


遊びなのに、
手加減してるのに、

この速さ。
この、強さ。



だったらこれより強い咲は……紅竜は
一体いつもどれだけ手加減していた……?



「おのれ...!」




印を組む。




柳に向かって飛んでいく苦無。



その後ろにほかの御老主が走ってくる。






『...』


すらりと立ったまま手を払った。




飛んできていたはずの苦無が
地面に落ちている。


御老主たちにそのままの体制で
左腕を伸ばして何かをつかむように
手を形作る。