強い霊力に圧倒されて、
体が動かない。
『…………御老主』
深く、深く、怒りを押し込んだ、
静かな低い声。
『てめぇら今そこに八人はいるだろ』
十人中八人。
御老主達九人と
草子トップを兼任する龍輝様を合わせた人数。
ここには龍輝様はいない。
『今ここにいる御老主、
全員同時に俺にかかって来い』
ザワッと空気が揺れた。
『もう一人奥にいるだろ、呼んでこいよ
本家に十人揃ってるはずだ。』
御老主、明様を伺いながらも
その場にいた草子や
屋敷の者が二人を呼びに走る。
指示がなくても、
柳の言葉は従おうと思わせる重さがあった
「お前……何を考えている
ふざけるな
我々がお前の命令に従うとでも?
このうつけが。」
『……咲は、紅竜は、俺達よりも強い。
俺達が五人同時にかかっても余裕だ。
その咲を侮辱するということは
俺達よりもお前らが強いということ。』
怒っているのに、激怒しているのに
それを見せずに淡々と話す柳。
式達の中で意見も一致してから
話しているんだろう。
……いや、
式達が大切に思っているのは咲のこと。
咲を侮辱するという大罪を犯した御老主を
誰一人として擁護しないのは当然か...

