翔太side


え…?

おい、咲。
なにやってんだよ?

なぁ
そいつ燈兜だぞ?


なんで、何もせずに目を閉じた?

隙を見せたら………




術がかけられていることがわかっていても
そう口にしなくては、そう叫ばなくてはいられない。





「っ!」


こっちを向いた咲。


こっちを見てるのに焦点があってなくて
深い奥底まで続いていそうな目。




片腕をこっちに伸ばしてくる。
指をならすと
俺達にかかっていた術の一つが弾けて解けた。





唱えずに…!








咲!

しっかりしろよ!
そいつ、燈兜なんだぞ!?







どれだけ叫けんでも、
何をいっても咲には届かない。