『サァ、姫よ。 我は姫と呼んだママで良いのカナ?』 燈兜の優しい声。 「……っ鈴、 鈴って呼んで。」 燈兜にそう聞かれることが嬉しかった。 思わず、鈴と口にする。 『鈴、鈴姫か。』 「うん」 鈴、と呼ばれたときに懐かしさが 込み上げてきた。 鈴……? 鈴、って…その、呼び方は…… 私のことを見てくれなかった。 小さい時も甘えられなかった。 今は、燈兜が見てくれる。 燈兜に、甘えられる。 誰も、見て、くれなかった…?