鈴が咲く【前編】





見つからない。
気配も感じない。微かに感じる邪気。



みんなが行方不明になって、
柳達にも探してもらって。

走り続けた体は疲労が溜まっていた。



巫女服の裾が翻る。

背中で、髪がはねる。










どうして...どうして私はみんなから離れた?

私が離れていなければ……

















____ここまで頑張っても言われるのは
責任のこと。
認めては貰えないんだ










全力の力を使って見つけたのは
林全体を包む巨大な結界。



「っ燈兜……!」


燈兜しかいない。





「っ……」



集中。

私のせいでこうなった。
私が終わらせないといけない。


幼い頃から染み付いた
自己否定と自己犠牲の考え方。

私にはこれしかないんだ








髪が風で巻き上がる。



覚えのない情景がふと頭をよぎった。




紅い巫女服を着た…私?


なんで、なんで……?
こんな記憶は、私にはない……!












カッ...!


一気に力を解放させて
結界に力を集中させる





「掛マクモカシコキ
伊邪那岐ノ大神筑紫ノ
ヒムカ橘ノオドノ祓ニ禊祓ニ
清ヒ慈トキニ成マセル
祓ヘ戸ノ大神達諸々ノ禍罪穢ハラムオバ
祓ヘ霊へ聞コ示セト戈に畏を魔堕ス」



古代から伝わり、
現代まで引き継がれてきた術。


歴代の当主でも使えるものは少ない。