「ここらへん…か?」
「っ…う〜ん」
クッソ悔しい。
俺よりもやっぱ龍のほうが
『見えて』る。『感じて』る。
俺より先に気づくし、弱い気配にも敏感。
「…光輝」
「あ?」
「そっち行くな
...多分元の場所に飛ばされる」
「うわ、マジかあぶねっ!」
ほら...今だって。
そりゃ、
俺だって昔から『見えて』たし苦労もしてきた。
意識を集中させたら
普通の時の龍よりは敏感に『感じ』ることも出来るだろう。
でも、やっぱ悔しい。
「……」
龍に言われて後退したところから、
集中してゆっくりと進む。
「…………こ、こら、じゃない、か?」
ゆっくり龍に聞いてみる。
「多分、な」
その言葉を聞きながら、
腰につけていた鈴をとって、顔の近くで振ってみた。
チリンリン
なんとも言えない違和感を感じて
顔を見合わせた。
「…光輝、そっち。」
そのまま意志疎通して
龍に言われた方を向く。
逆の方を向いた龍の息づかいと
ゆっくりと進んでいく気配を感じた。
「フゥーー…」
咲ちゃんや翔がやってるみたいに
目を閉じて大きく、深呼吸した。
二人みたいにはなれないけど…二人みたいに。

