鈴が咲く【前編】

「っ、ハァハァ、ッハ……」


肩で息をしながら周りを見るけど、
どこにもヤツの姿はなかった。


体から力が抜けて
思わずその場に座り込んだ。


「燈兜……!
何で……」

翔が混乱したようにそう呟いて、
ヤツのいた方向を見つめる。




「光輝、大丈夫か…?」

膝をついて俺の背中に手を置く龍

「あぁ。っ大丈夫、だ…」


こんなにも息切れする距離じゃないのに。

何故か金縛りに合うたびに
息が止まったようになって……


「翔……?
ヤバイんと違うんか?
一旦戻らへんか?」


康平が翔の肩に手を置く。

「っ!?」


バッとその手を弾いた翔。


「っ!
悪い……」

「いや、大丈夫やけど……」