鈴が咲く【前編】





「...!?」



『お前、遠山光輝ダな?』



聞こえてきた声に
言い様もない威圧感を感じて
息が詰まる。



『次ハ本当にあてテやろうカ?』



笑いながらそう言ってくる。


ぞっとした。



眼は向こうに向けたまま、
片手を動かして何かないかと体を探る。



「!」



咲希ちゃんがくれた鈴が手に触れた。

ポケットの中で、カサリと音がした。



「っ!」


そうだ、札!!




『なんダ、恐怖でうごけんカ?』




「っぅりゃ!!」



素早くポケットから札を取り出して
投げつける。


すぐに踵を返して
翔たちのいる場所まで全力疾走した。