みんながお風呂に入っている間に
夕飯を作り始める。
といってもいつも作っているから
何らかわりない。
パパッと作って、
後は火を通せば良いだけにしておく。
みんなが上がってこないうちに
もう一度結界を張り直そうと
今度は別荘の外に出て
向き合うように立った。
「ふぅー………」
大きく息を吐いて集中する。
「っ!!!」
『ほゥ、気づいたカ。』
振り向くと同時に表れた、燈兜。
「燈兜っ!」
バッと体勢を低く構える。
『構えんでもヨイ。
戦うツモリなどないゾ?』
「戯け!
お前の言葉など信じれるものか!」
警戒しながら片足を引き、
結んでいた髪をほどく。
脇位の高さに巻き上がる髪。

