鈴が咲く【前編】

「だ、大丈夫……」

ムクッと起き上がった康平を見てから
転がっていたボールを拾う。

「もうそろそろ帰ろっか?
明日もあるし。」

さっきより少しオレンジ色の強くなった
辺りを見渡してみんなに問いかけてみる。

「そうだな、夕飯もあるし。」

翔がそう言って康平に手を差し出す。

「じゃあ、帰ろっか」

立ち上がった康平の砂を
払ってあげたあと、
そう言ってみんなで歩き出した。