鈴が咲く【前編】

体に何かが流れるような感覚。

「っ...」

亮ちゃんっ!....

後ろから着々と術で
追い込んでいた亮ちゃんが
縛りをかけてくる。
少し遠くから
片手をこっちに突き出して
まだ他の術をいくつか
掛けているのがわかった。


一点に力を集中させる。

「っ....!!」

左手が辛うじて動いたところで
複雑な片手印を組んだ。

口を開かずに
印に気を込めて渾身の力を術に入れた


バキンッ...

体中を綺麗に覆うように
張っていた術や結界が
ガラスが割れるような
音を立てて粉々に割れた


「な!?」

一歩後ずさった亮ちゃん。

「静止動乱、動止鎖禁!!」
セイシドウラン  ドウシラキン

術と同時に符を投げて
亮ちゃんの動きを止めた。


体勢を立て直して
力を集中された二人が
後ろで攻撃しようと構えたのを
気配で感じる。