寮に向かって歩きながら、考える。
さっきの妖…多分……
「咲希ちゃん?
どうかしたんか?」
康平君が顔を覗き込んできた。
「あ...ううん。
さっきの妖の事で……」
「さっきの?
咲希が調伏した方か?」
龍也君が話に入ってくる。
…キャラクターとして演じるのにつかうか……
「うん。
...あの妖...
多分もともとは人間だった...」
「「「!?」」」
「やっぱりそうだったんだな」
翔が驚いている
みんなの横でそう言った。
「何で、人間があんな姿に...?」
「光輝君達には...話してないよね。
妖、って人の負の感情...
心の闇を喰らうと、一時的にだけでも強くなれるの。
だから、人にうまいこと言って近づいて、
人の闇を喰らったりして強くなってから
私達、力のある人の血を狙ってくる。
力を持った人の血は、
妖たちにとって力の塊みたいなものだから...
闇と違って一時的ではないし」

