鈴が咲く【前編】










































!?!?!?

いつもの咲希ちゃんじゃない...

あんな眼、してない...


何かを見据えるような
冷たいような敵視するような
強い意志を持っているような

...そんな眼





妖の方に向きなおって
どこからか、一本の光る弓矢を構えた。

まっすぐ飛んでいった矢は、
妖に突き刺さる。





「ウ、ウガァッ」

「安らかに眠れ。
哀れな妖よ。」

静かにそう言った途端、
さっきまで妖の形をしていた
光の粒は、空へと消えていった。



「咲!」

翔が咲ちゃんに走りよりながら
その名前を呼んだ




そのとたん、
「もう、終わってたでしょ?」

いつもの咲希ちゃんだ...

明るくて、
優しい咲希ちゃんにかわっていた。


「「解!」」

その声で、
俺らを包んでいた結界が解かれた。

「大丈夫?」

そう聞いてくる咲希ちゃんは
本当に心配そうだった。

返事を返すと、
安心したように息をはいた。