!?!?!?
いつもの咲希ちゃんじゃない...
あんな眼、してない...
何かを見据えるような
冷たいような敵視するような
強い意志を持っているような
...そんな眼
妖の方に向きなおって
どこからか、一本の光る弓矢を構えた。
まっすぐ飛んでいった矢は、
妖に突き刺さる。
「ウ、ウガァッ」
「安らかに眠れ。
哀れな妖よ。」
静かにそう言った途端、
さっきまで妖の形をしていた
光の粒は、空へと消えていった。
「咲!」
翔が咲ちゃんに走りよりながら
その名前を呼んだ
そのとたん、
「もう、終わってたでしょ?」
いつもの咲希ちゃんだ...
明るくて、
優しい咲希ちゃんにかわっていた。
「「解!」」
その声で、
俺らを包んでいた結界が解かれた。
「大丈夫?」
そう聞いてくる咲希ちゃんは
本当に心配そうだった。
返事を返すと、
安心したように息をはいた。

